新格闘技イベントDREAM発進

秋山vs三崎問題でややこじれた感もあった旧PRIDEとHERO’Sの統合が無事成立。色々文句がある部分も多いが、あのPRIDEの世界観はやっぱり魅力があるし、あの世界観のリングにあのメンバーが揃うのはやっぱりワクワクする気持ちが沸いて来るのが正直な気持ち。そしてPRIDEといえば世界最高峰のリング、60億分の1なんていう最強を争うという価値観が存在する場所であったが、現時点でそれをこの場所に期待する気持ちは自分には無い。

PRIDEといえばドラッグテストが無かったといわれているが、そのPRIDEファイターが戦場をドラッグテストのあるUFCに移したときの体型の変化やパフォーマンスの低下は、色々な面でPRIDEにドラッグテストが無かったことの影響を考えざるを得なかった。新イベントDREAMに最高峰としての価値観を求めるなら、UFCがやってるようなドラッグテストをしなければ自分には説得力は無いと思う。だからドラッグテストをDREAMがしない限りはPRIDE的世界観でどんな試合が繰り広げられるかというところの興味に限られていくと思う。仮にヒョードルvsミルコをDREAMでやったところで、ぶっちゃけそこまでの興味は自分には持てない。

また負の部分を上げていくなら、人気選手のマッチメーク。人気選手の商品価値を考えて緩い相手ばかり当てて盛り上げるようなマッチメークがPRIDEのとき同様多くおこなわれるのは止めてほしい。ある程度キャリアを重ねて体がぼろぼろな桜庭みたいな選手は正直そうせざるを得ない部分はある。だがそういうわけでも無いのに人気があるがゆえに、その人気にケチをつけないがためのマッチメークばかりが優先されては、いつまでもUFCを追い越すことはできないような気がする。今年に限っていえば盛り上げるためにトーナメントが優先されるのはしょうがないが、王者が決まったなら、王者はUFC形式で試合毎にタイトルマッチをさせるようにするべき。あれは密かに非常に優れたシステムだと思う。プライドの場合、王者が相手に釣りあわない相手と試合をすることが非常に多かったと思うので。

もちろん競技性ばかり重視したからといって盛り上がるのかといえばそういうわけでもないのは事実。いわゆる日本的な興行論を重視したマッチメークも部分部分では必要にはなるだろうし、その辺のさじ加減には注目していきたい。とりあえず二つくらい例を挙げるとまずミノワマン。あのキャラウター、そして佐藤Dの煽りVに入場。そして無差別路線という名の穴のあるデカブツ退治。この路線をまたDREAMで続けるのか。それとも等身大の戦い。ミドル級84キロの戦いに飛び込むのか(といっても対柴田、船木、田村、西島、なんとかグレイシーじゃ大差無いが)。もう一つはUFCから帰ってきちゃったミルコ。安全パイな相手を当てて豪快KOで盛り上げちゃうのか。そんなマッチメークでもあの空気でやられると盛り上がってしまうのが、あの空間のファンだったりするが、果たしてどうなっていくのか・・・。なにをいいたいかわからない文章になってしまったが、盛り上がればいいだけのイベントはやはり勘弁。そんな予定調和のマッチメークではなくちゃんと勝負論のあるマッチメークで、勝った、負けたというドラマをあの世界観の上で見せていってほしい。それが総合格闘技を日本に根付かせる上で必要なことなんじゃないかと思いたい。

以前旧PRIDEとHERO’S統合か?について書いた記事のまとめ
http://d.hatena.ne.jp/iippanashi/20080104
http://d.hatena.ne.jp/iippanashi/20080105
http://d.hatena.ne.jp/iippanashi/20080106