近藤対サイボーグ、ダンヘンを振り返ってみる

また特に意味は無いですが、いま振り返って見ます。この二試合は近藤が有利な展開になりながら決め切れなかったという意味で自分には似たような試合だったという印象を持ちました。


自分が近藤にこの試合でどういうものを望んでいたかというと、二試合とも上になってハーフガード(ハーフマウント)の体勢になることがあったのですが、そのときにひたすらパウンドを打ち込んでぼこぼこにする展開。いわゆる郷野戦のようなものを望んでました。


結果的にはあのときほどのダメージを与えることはできず、ともに決定打を打ち込むことはできませんでした。それはなぜか。


まず近藤のフィジカルが郷野戦に比較して落ちていたこと。体重発表だけを見ると、郷野戦も入れた三試合とも88キロ強とほぼ同じ体重ではありましたが、筋肉の盛り上がりは郷野戦よりは一回り小さいものでした。その結果上からの圧力、パンチの威力が落ちていたからということ。


次は近藤の意識。郷野戦のときのようなハーフガードからでも相手をぼこぼこにしてしまうという意識が欠けてしまっていたんでないかということ。プライドルールだとパスガードしてサイドにいけば膝を打つチャンスもあるのは確かですが、近藤の技術ならハーフガードからでも、十分に相手にダメージを与えることができたけど、そのポジションからパウンドにこだわらなかったこと。


三つ目はハーフガードからのパウンドの技術自体ちょっと衰えていたのかなということも思いました。郷野戦で見せたハーフガードからのパウンドの技術は川尻が参考にするくらい素晴らしいものでしたから、それに比較するとということですが。


で結局なにがいいたいか。近藤には、あの郷野戦で見せたスタンド、グランドの戦い方を極めていってほしかったということです。技術が進化するにつれあのときと同じ戦い方が常にできたとはもちろん思いませんが、スタンドでは近藤独特の当て勘を生かした打撃、グラウンドでも、あの他にあまりまねできる選手を見たことがない、ハーフガードからのパウンドの技術。


フィジカル的にもティト戦の前あたりからウェイトを本格的にやり始めて、一年ちょっとであのフィジカルだったので、さらにフィジカルを強化していく。それを極めていけば、いわゆる菊田とかスペーヒーとの試合のときのような近藤は見られなかったとは思いますが、違うタイプの近藤が見られたような気がします。ハーフガードから強豪外人をぼこぼこにする近藤っていうのを自分は凄く見てみたかったですね。


パウンドといえばヒョードルが思い浮かぶ人が多いと思いますが、近藤も郷野戦以降もフィジカルを強化して、ハーフガードからのパウンドを意識して磨いていれば、近藤独特のパウンド技術として凄く評価されてたと思いますね。川尻も研究してたくらいなので。


2007-02-13 - KAKUTOUQUEST


ずいぶん前に書いたハーフガードからのパウンドについての記事