中量級以上のサウスポーの選手について

主に80キロ以上の選手のサウスポーの打撃を考えてみた。近々プライドで瀧本が復帰戦をおこなうが、彼もサウスポーの選手だ。
http://www.prideofficial.com/free/news/details.php?id=1173969898

「まだ試してないので分かりませんが、打撃を中心にやってきたのでそこが変わったと思う」と言うほど、PRIDE参戦以来課題としてきた打撃の練習に週の2/3を費やしているという。多い日には3時間もの時間を打撃練習にあてている。

とある。素人視点で彼のパンチの技術を見ると、ストレート系、コンパクトにインを打ち抜くパンチができてないと思う。ただこれは中量級以上のサウスポーの選手にありがちだったりする。イメージ的には、右利きの人間が左でボールを投げてるようなイメージのパンチに見える。実際瀧本のパンチは回すようなフック系のパンチしか打ててない。桜庭、山本(ヤマヨシ)なんかもそうだ。桜庭のミット打ちみる限り修正できてないように見えるし、山本もミンス戦の殴り方とかそうだった。高阪なんかも、そういうところがあった。

だが、この辺の選手は、オーソドックスから右のパンチを打つと、体幹の力をうまく生かしたパンチが打ててたりする。桜庭なら最初のシウバ戦やホイス戦、山本ならホーン戦、高阪ならスペーヒー戦や、ハント戦。そう考えるとこの3選手はパンチに関しては、オーソドクッスが向いていたんじゃないかと思う。ただ組み技で、タックルにいく際サウスポーのほうが入りやすい(桜庭はどちらでもいけるが)分、サウスポーのほうの打撃スキルも高めなければいけないという、矛盾もあったように思う。打撃と組み技の得意な構えが分かれているためどっちかを取る、どっちかを捨てなければいけない状況になったと思う。

そして瀧本。彼も柔道時代、右足が前の構えで打撃もそれに合わせてサウスポーに構えてると思う。その結果パンチがいまいち不自然な、不器用な形になってるように思う。そのためインから打てないパンチが今回修正できているのか?それに注目して見てみたいが、なんとなく難しいような気がする。かといっていまからオーソドックスに構えを変えるのもリスキーだし。まあインから打てなくても、瀧本は身体能力が高いから、田村や菊田は瀧本のパンチで結構嫌がる場面もあったが。ただ桜庭、山本に見られるようなサウスポーに構えて、インから打ち抜けないパンチは、技術的にはあまりいいとは思えない。

中量級以上のサウスポーでインからパンチを打ち抜けるのは、近藤、高橋、田村くらいなような気がする。田村が吉田をカウンターの左ストレート(フック気味)でダウンを奪ったシーン、高橋がマヌーフに左ストレートをカウンターで当てたシーンみたいなインを打ち抜いてカウンターを当てるみたいな技術は、桜庭、山本、瀧本のようなサウスポーだと多分難しいと思う。サウスポーでインを打ち抜くようなパンチを打つためには、右利きの人がボールを右で投げたときのような力の伝え方を左でもできるようなイメージが必要だと思う。瀧本の今回の打撃がサウスポーからインを打ち抜くようなものなのか、以前の外からまわす様なものなのか、オーソドックスへ転向か、注目したい。まあ弁慶相手に打撃勝負を挑むこと自体ナンセンスだから、組み技一辺倒の攻めになるかもしれないが。