2008日本代表決定トーナメント感想

山本
有効打は何発か入っていたが、やはりこの階級でやるにはパワーが足りない。

尾崎
尾崎も体格的な不利が試合でどうしても出てしまっていた。

TATSUJI
いくらK−1ルールの経験、トータルの技術で優っていてもボクシング三階級王者と打ち合ったのは失敗だったと思う。事前に打ち合う宣言をしてしまっていたので、打ち合うかもしれないなとは思っていたが・・・。あっという間に負けたのは確かだが、それでも前田より下とは思えない。

竜二
個人的には一番印象に残った選手。体つきをみるとナチュラルな感じと言うかあまりはりもない感じでフィジカル的には強そうには思えないが、それを体の使い方のうまさで補ってる感じだった。パンチに体幹の力を乗せるのがうまいし、胴体力でいう内捻りの要領でコンパクトなパンチを最短距離で打ち抜いていて技術的にうまいなと思った。相手のHAYATOとの技術の差から来る有効打、ダメージの差は明確にあったように見えたが、判定の妙というか、タイミングのあったパンチでダウンしてしまったポイントロスが響いて負けてしまった。

アンディ
あのアップスタイルなムエタイスタイルは意外とアンディには伸び悩んでしまうスタイルのように思えた。手数もどこかだしにくいように見えたし。かといって今から魔裟斗やサワーのようなオーソドックスなキックボクシングスタイルに矯正するのはリスクがあるし。とりあえず次が見たいとは思うが、この日に関してはいまいちよさが感じられなった。

前田
今回の大会でかなり評価を上げた感があるが、TATSUJI戦は相手の戦略ミス、HAYATO戦はダメージの差の分有利に進めたとラッキーな部分が大きいように思えた。ある程度の選手に蹴り中心で攻められるとまたかなり苦しむと思うし、今回評価を上げたにせよ、今後も盛り上げ役としてしか期待できないように思う。

HAYATO
一番期待していた選手だったが、正直な話をいうとかなりがっかりした。技術的には一年前からあまり変わったように感じなかったので。精神力やフィジカルはアップしたのかもしれないが、竜二に技術であそこまで圧倒されるのを見て、今後期待するのは難しいかなと感じた。

城戸
まあはっきりいうと優勝してもまったく認める気にならない試合ぶりだった。手数は少なく、リーチを生かしたカウンター狙いの安全運転の試合の連続で塩分を撒き散らしていた。決勝は相手のダメージが大きかったおかげでKOできただけ彼の評価は一回戦、準決勝の塩分濃度の濃い2試合が全てだと思う。確かに膝やハイキックなど一発の破壊力は見せていたとは思うが、まったく応援する気にならないスタイルの選手だった。三崎、あるいはリーチの長い郷野といったところだろうか。三崎はシャドーボクシングするのでもう少し手数はあるか。

佐藤
やっぱりこのルールだと、限界があるし、この試合でも打ち破れそうなものは感じられなかった。

五味、ジョシュ参戦!

五味に関してはちょっと遅くなってしまったが、戦極が五味を獲得して、それも複数試合契約ということで、団体の格になっていく選手になると思う。五味を獲得したことで戦極に対する団体の期待が大きくなったし、格闘技ファンの団体に対する注目度という面でも格段に大きくなりそう。ただ一つ気になる点としては、70キロ級での階級で戦っていくことになるということ。以前何度か書いたが、プライドでの73キロ級における試合はこの3キロという微妙な違いが五味に有利に働いていた点は大きい。そのアドバンテージが無くなってどれくらいのパフォーマンスが見られるか。以前の70キロの試合といえば修斗時代のやや地味めな試合が多かったり、ハンセンやペンに敗れたりしているが、そのときからプライドの戦いを経て70キロにおいても格段に成長しているのか。あるいは70キロの戦いに戻るとプライドのときと変わってやや苦戦してしまうのかその辺も注目だ。

興行面からいえば、五味に軽量級のエースとして戦極は活躍してもらいたいはずだが、それを保証するにはやはり多少名前先行の選手を優先的には当てる必要があるがそうしていくのか、知名度は無くても実力のある選手をリスクを承知で当てるのか。噂ではホドリゴダムやモンテイロが上がっているらしいが。。。三崎や瀧本に似た感じにしたいなら、もう少し格落ちの選手を当てると思うが、そのへんのマッチメークのさじ加減がどうなっていくかも気になる。そろそろプライド全盛の頃のように興行面ばかり優先するマッチメークより実力者にチャンスが与えられるUFC的なものになっていってほしいとは思うが。

そしてジョシュバーネットも参戦決定。継続参戦かどうかはわからないが、仮に継続参戦となればこれもヘビー級のエース外人選手獲得でまた団体の注目度は高まるだろう。以前から発表されてるものに加えて、五味、ジョシュの参戦の決定で選手層だけ見れば一番プライドの匂いを感じる団体になってきた。演出部分が噂どおりやれんのかチームの協力があれば、十分プライドの後継団体としてプライドファンの支持は集めていけるとは思う。まあ一番の問題は採算ベースに早く乗せて興行を続けていけるかということになるが、これだけの選手を集めていくとなると、その辺は心配にはなる。現時点では観客動員とPPVだけのスタイルなので、それだけではこの選手規模だといずれ苦しくなりそうな気もする。地上波獲得が出来ればそれに越したことはないが、今までの流れを見ると簡単にはいかなさそうだが。

ジョシュの対戦相手に吉田が決定して、個人的にはかなりがっかりしてしまったが、興行論からいえば、吉田vsホジャーグレイシーに比べればこっちが優先されるのはしょうがいないだろう。吉田がホジャーと試合した場合、吉田が大苦戦したホイスに比較してホジャーは体格も柔術の実績も桁違いなわけだし、その上知名度もない。その選手に比べればジョシュは知名度もあるし、空気を読んで試合を盛り上げることもできる。吉田の商品価値のプロテクトという点でもこっちのカードになってしまうし、どっちが多くのファンを集められるのかというとやっぱり吉田vsジョシュというのも確かだろうし。逆に吉田vsホジャーが噂に上がったというかマッチメークの候補に挙がったこと自体不思議な気もする。マッチメーカーが提示してみたが、あわててJ−ROCKの社長がNOといったとかじゃないだろうか(汗)。

吉田vsジョシュが決定でホジャーグレイシーが宙に浮いてしまったが、あそこまで具体的に参戦が噂になっていたので、他の選手との対戦ということになるのか。また噂レベルでは戦極に藤田の参戦という話もあるが、藤田vsホジャーということになれば、また興味深いカードにはなりそう。これだけの選手を集めてまた藤田にホジャーとなると資金面での心配はどうしてもしてしまうが、旗揚げからしばらくは赤字覚悟でやっていくしかないのだろう。

話が変わって階級の話だが、以前書いたとおり70,65が再制定されて大体はよくなったのだが、やはり83、76キロという階級設定は気になる。特に今後盛り上がりそうな83キロの階級は83,9キロといういわゆる世界標準に近い設定に自分はしてほしいと思う。菊田もそうなることを望んでいるし。まあ一回目はいまの設定でもいいとは思うが。

階級問題と繋がって、パンクラス戦極と合体し、やれんのかから取り残されたことに関して貧乏くじを引いた的にいわれていて、自分もぶっちゃけそんなような気はしていたが、この選手の集まり方を見ると、総合において中心になるプロモーションになっていく可能性は感じてきたし、パンクラスがそこと協力体制になったことは、結果論でいえば間違っては無かったのか。まあパンクラスといえば全方位外交といわれるやり方で他団体と交流しているので、川村は戦極だが、誰々(まあ例えば近藤)はHERO’Sみたいな可能性もあるにはある。

だが現実的に近藤が日本のパンクラス以外の団体に上がるなら戦極の可能性が高くなってきたように思う。ただその場合83キロという階級になると、また苦しむ可能性もなきにしもあらず。84キロでの試合にはかなり慣れてきたし、パンクラスでも今後その階級で戦うのでその階級での戦いなら不安は無いが、83キロでの戦いとなるとその一キロに気を使う余りまたコンディションを落とす心配も無くは無い。だから戦極が83キロで近藤にオファーした場合は慎重に考えて参戦したほうがいいかもしれない。戦極が83キロのままならHERO’S85キロのほうを優先したほうが近藤にはよさそう。

今回パンクラス所属では無いが現KOPのジョシュバーネットが戦極に参戦したことも、まあ関係ないとは思うが、パンクラス戦極の繋がりを印象づける部分は感じる。記者会見でパンクラスのベルト持参で参加してたし。ジョシュといえば、KOPの防衛戦をする機会に恵まれずプライドでのKOPを志願したほどだったが、実現はしなかった。ただパンクラス新日本プロレス猪木祭りでのKOPも認めているので、まったく実現しそうにないパンクラスでのジョシュのKOPを防衛戦は戦極でやってしまってもいいんではないだろうか。パンクラスへのメリットがあるのかというと微妙だが。