郷野対近藤についての感想

試合の詳細はこちら
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/pride/live/200612/31/a03.html

試合の感想は、近藤が距離を取る郷野を捕まえ切れなかった。ある意味レノグ戦と同じだったか。それでなかなか捕まえられないので、強引に前に詰めようとするとそこでカウンターを貰うというのも同じだった。差し合いで押し込んでの膝の連打でスタミナを削る菊田二戦目でやった戦法ができればよかったけど、郷野もテクニックがあるので、なかなかさせてもらえなかったし。組み際のテクニックは正直近藤は郷野にはかなわないところがある。あとは最近多用してた前蹴りを封印したのは何故なんだろう?あのほうが回し蹴り系よりカウンターも食いにくかなと思うし、足を取られることも少ないし、松井にも効かせられるほど威力があるので、うまく使って欲しかったんだけど・・・距離がうまく作れなかったせいだろうか。ただよくいわれるスランプというのはそこまで関係ないようにも思えた。近藤の動きそのもの、最近出来てなかったバランス(股関節の捉え)のコントロールはある程度できていた。それすら出来てない試合がプライドでは多かったし。そういう意味ではパフォーマンスそのものはかなり出せた試合だとも思う。だからこそ、郷野との実力差、技術差を見せつけられた試合だったのかもしれないが。まあ郷野がうまく近藤を封じ込めた試合だったんだろう。


コンディションという意味でも、体のシェイプ具合、動きの切れを見ると、ここ最近では一番いいとも思えた。83キロ級がやはり近藤にはベストなんだとこの試合で思えた。絞って体重を調整すること自体選手生活全体の中でも二回目(初めて減量して83キロ級で試合したバローニ戦は秒殺負けだし、実際あの体重で試合で動くのは今回が初めてといってもいい)だし、試合間隔も3週間だしその辺の考慮もしてあげたいなと思う。もうパンクラスで90キロ級で試合するときも、83キロ級でやるときに近いコンディショニング、調整で試合すれば83キロ級のコンディショニングも試合するごとによくなるだろうし。うまくいけば、83キロ級でも菊田戦や中村戦に近いコンディションにすることも可能だと思う。


ただ試合間隔はちょっとおかしい。月一で試合するのはやはり無理がある(今回は三週間の試合間隔)。パンクラスに出ながらプライドに出なければいけないならスケジュール、タイミングがうまく合わないのはしょうがないが、二ヶ月か三ヶ月に一度試合するのがやはりいいと思う。月一の試合じゃ83キロでのコンディショニングはあがりようがないとも思うし。パンクラスでプライドウェルター級の選手を呼んで試合するのもいいと思うし(金が無いのはわかるが離脱者続出の中でまだパンクラスにいる近藤のためにそれくらいパンクラスもしてあげてくれ)。松井とかレノグじゃ近藤がちょっとかわいそう。そうやってパンクラスの中でも83キロ級のパフォーマンス、コンディショニングを上げていくべきなんだろう。今回のプライドの結果でしばらくプライドに呼ばれることは無さそうなんだけど、自分には83キロ級においてのパフォーマンス自体は上がっていると感じる試合だった(バローニ戦があれすぎるって話もあるが(汗))。なんでそれを続けていつになるかわからないがチャンスがくるまで、近藤には頑張って欲しいと思う。ただ郷野とは再戦しないほうがいいと思う。正直何度やっても近藤のよさが消されてしまうと思うので・・・。


正直な話近藤の技術じゃ、あの距離を取ってリスクを減らしてヒットアンドアウェイ戦術とカウンター狙いでポイントを稼ぐ。で相手を焦れさせてまたそこをカウンターで攻めるという戦法を攻略するのは難しい。2005年の大晦日に試合した中村のほうがまだ前に出てくる分体格差はあってもやりやすい相手だったんだろう。中村が近藤得意のグラップラーだったというのもあるが。契約体重が違う分コンディションに差はあると思うが、この2試合での近藤の試合当日のパフォーマンスに差があるとは自分には思えない。パフォーマンスは同じでも対戦相手との相性や兼ね合いで評価が上がったり下がったりするのがこの世界ともいえるけど(だからみんなおいしい相手を探してやるわけだし)。2004大晦日ダンヘン戦の近藤のパフォーマンスは自分にはあんまりよくなく見えるが、負けたとはいえ評価を受けた。それもダンヘンの体調不良という要素があったことはやっぱり否定できないし。そういう意味でも選手のパフォーマンスと回りの評価は意外と乖離してることもあると思う。あくまで自分はパフォーマンスそのものの評価なら、ファン、関係者に評価された中村戦と評価されない郷野戦と同等の評価をしている。ただ近藤のその力が郷野相手だとうまく封じ込められてしまうというそういう印象を持った。


最後になるが近藤の中で一番考えられる伸びしろは83キロ級のコンディショニングだろう。素人考えだが、ここ最近では一番切れがよかった中村戦に近い仕上げ方で調整しつつ、二週間くらいかけて(減量に時間をかけすぎると計量から体重を戻しにくいとも聞くので)計量当日朝の時点で、1キロ前後オーバーくらいまで体重を落とす。で計量当日にサウナとかで汗を出して、リミットぎりぎりで計量をパスする。で試合の日には、3キロくらい戻して、86キロちょっとで試合を迎えるようにできれば、パワー減も最小限に抑えられると思う。今回の試合みたいに600グラムアンダーで計量パスとかは極力しないようにするべき。北岡は体重調整とかうまいだろうし、横でいっしょについてもらうのもいいし。近藤のキャリア考えるとテクニックやフィジカルが急激に成長するとは考えにくい(ダウンしたり、スタミナ切れの相手を攻めきれないことが多い試合運びは修正すべきだが。)だが逆に近藤のキャリア考えると、階級性におけるコンディショニングが一番甘いところであり伸びしろの部分ともいえる。そこの部分をパンクラスの試合をしながら伸ばすべきだと思う。そこを月一で試合だとか、ナチュラルウェイトで試合だとかいうことをやってたら近藤の再浮上は無いと考えてもいいくらいに思う。それくらいパンクラスの今後の試合も大切にしてほしい。