近藤健介の選球眼と打席でのアプローチ

https://baseballking.jp/ns/138744



自分の近藤のバッティングへの感想は、いわゆるバットコントロール、ミートする技術は確かに凄く優れているが、ここだけを取り上げれば、近藤と並ぶ、それ以上の人も何人かいるのではないかと思っている。


https://www.nikkansports.com/baseball/news/201711120000086.html



近藤が一番優れているのは、もうよくいわれるようになっているが、選球眼だろう。これはもうNPB1,2を争うといっていいと思う。これを生かして打席でアプローチするという形を今年のシーズン当初から存分に見せてくれた。ヒットにするのが難しいボール球は手を出さない。ヒットにしやすいコースだけコンタクトしにいくことでヒットする確率を上げるという、それに徹することであの打率を残していたし、ヒットにするのが難しそうな打席でも、簡単に凡打にならず選球眼を生かして四球を選び、打率が下がらない。結果的に高い打率(そして高い出塁率)が残るというのが今年の近藤だった。



2ストライクになるまでなら、ストライクゾーンでも厳しめの球なら一切振りに行かないから、簡単に2ストライクに追い込まれることも多い。普通は追い込まれるのが嫌だからその前になんとかってバッターがほとんどだと思うけど、近藤は追い込まれることをほとんど恐れてない。今回のアジア大会でのヒットの7本のうち4本が2ストライクに追い込まれてからのヒットだった。



もちろん甘い球なら浅いカウントでも一発で仕留めに行くスイングもできる。こういう打席でのアプローチのやりかたをしている選手は他にはなかなかいないと思う。


http://baseballdata.jp/playerB/1100097_4.html


ここを見たらわかるけど2ストライクに追い込まれてからも打率(.343)が凄く高いし(2ストライクになる打席数も凄く多い)、ボールカウントが増えるほど打率が上がる。3−2までいけば、このデータではわからないけど多分7割近くの確率でヒットか四球で出塁してた気がする。近藤の今の打撃は、圧倒的な選球眼、2ストライクに追い込まれてもぶれないメンタルという土台の上に、卓越したバットコントロールの技術でヒットと四球を量産するというのが今の打撃スタイルじゃないかと思う。



4月、5月にこのスタイルで4割越えの打率をキープしたが、6月にヘルニアを発症。3か月の戦線離脱を余儀なくされた。しかしそこから復帰した後もこの打撃スタイルに陰りは見えなかったし、復帰後の打率、出塁率アジア大会を含めても離脱前より高いはず。復帰後の打撃の内容、成績を見て、来シーズン4割への期待というのは正直ある、ただ4,5月かなり絶好調状態に見えてあれだけ四球を取ってやっと.407という数字だった。



そう考えると年間4割という数字が相当難しい数字だと改めて思う。長いシーズン好不調の波、疲労、細かい故障などで調子を崩して打率が落ちるときが絶対あるので。だから4割に再挑戦するなら、今年の打撃スタイルをさらに進化させて、圧倒的な打率、出塁率を残す。それこそ今回のアジア大会くらいの勢いで数字を前半戦から残し続ける必要がある気がする。ただ当然のことながら来シーズンは他球団のマークは相当きつくなるだろう。



それにどう対応していくか。長々と書いたけど一番は腰を手術した近藤のコンディションが一年フルに持つのかが一番心配なとこなのだけど。そこそこな数字でフルシーズン戦うのか、今年みたいに圧倒的な数字を叩き出しながら腰の爆弾がまたどこかで爆発しちゃうのか、一年打率4割越え、出塁率5割越えの暴れまくるシーズンになるのか。自分も含めて色んなファンに期待される来シーズンになってほしい。


近藤の復帰後の成績(シーズン戦と日本代表戦(強化試合含む)を合わせたもの)

12試合 42打席 35打数 19安打(6二塁打) 6四球 1死球
打率.543 出塁率.619 長打率.714 OPS1.333