Strikeforce

テイクダウンできたモーとシールズは勝って、できなかった青木は負けたみたいな三試合でしたね。
テイクダウンできるできないは防ぐ側の技量(あるいは絶対に取らせないぞ的な意識)に大きく関わるとは思うのですが、あえて仕掛ける側について焦点を絞って考えてみると、

モーはバッグボーンに全米選手権王者になったくらいのレスリングの下地があるし、フィジカルも凄い。シールズのバッグボーンはどんな感じなんだろう。確かシールズもそれなりのレスリングの経験者ではあったような。ただフィジカル的には適正階級は一つ下のウェルター級だと思うので、この日戦った階級ではそれほどではない。それでも体格的には上であろうダンヘンからテイクダウンを何度も奪う。

青木がメレンデス相手にテイクダウンを取れなかったのは、やはりフィジカルとレスリングの技術が足りなかったということなんだろうか。もしかするとハンセン相手にテイクダウンを取れまくってたことで、メレンデス戦でも同じようにいけると、思っていたのかもしれないが、ハンセンは計量の時点でリミットをかなり割っていたし、テイクダウンも割と簡単に許してしまうタイプなので、あの試合が過信の原因になって結果的には今回の敗因に繋がってしまったように感じてしまった。

リングと金網では捕まえやすさに差がある部分も感じた。この三試合を見てあの海外のトップクラスの舞台でテイクダウンするには、かなりのレスリングの技術とフィジカルがあって初めてできるのかなと感じた。四つ組みからテイクダウンを奪える岡見みたいな選手もいるが、レスリングとフィジカルに優れたチェールソネンとの試合では、テイクダウンを奪われまくり完敗してしまっているし。

今大会の3試合は、つまらなかった的な見られ方が多いけど、自分的にはいろいろ今のMMAはこんな感じなのかと思えることが多かったので、なかなか見所があった大会に思えた。特にテイクダウンとフィジカルの部分について。ある意味一番アメリカで通用しそうなのは五味や青木では無く、川尻なのかなともこの3試合を見て思った。

青木の今のフィジカルとテイクダウンのスタイルではアメリカでやっていくのは厳しい気がするので、フィジカルをさらに高めてレスリング力を高めるか、また違うスタイルを模索するのかって感じにしないとメレンデスと仮に再戦しても10回やって10回負けそうな印象を持ってしまった。


<追記>
素人考えなあれよりやっぱ選手の解説のほうが説得力あるので高瀬の試合評を
http://ameblo.jp/takase-d/entry-10511583661.html
短いけどかなりうなずけるところがある試合評だった。

追記ついで青木にボクシングを身に付けろ的な指摘がみられるが、それの是非では無く、その指摘を見て青木に五味相手にジャブの打ち合いで完全に試合をコントロールしてしまえるボクシングの技術を付け加えたのがケンフロなんじゃないかと思えた。サウスポーで、体型も似ているし、距離の取り方も似ているし。レスリングとフィジカルの比較に関しては、やはりケンフロが共にちょっと上回っているのだろうか。

ケンフロがメレンデスと試合した場合は、やはりサークリングで距離を取りつつリーチと懐を生かしたジャブで試合をコントロールしようとするのかもしれない。それで中盤以降チャンスがあったらテイクダウンという感じだろうか。別に二人は所属プロモーションが違うので試合をシミュレートする意味は無いのだが、なんとなく考えてしまった。

そのケンフロ相手に、完勝してしまったBJはやっぱり突出した存在だと思うのだが、エドガーに判定で負けてしまって^^;。あの試合の判定に関してはある意味ではありうる判定だと思うのだが、BJが負けた理由は、この階級で勝つことにあんまりモチベーションを見出せなくなってきてるのが大きいような気がしたし、違う言い方をすればあんまりやる気が無くなってるように見えた。

そこをエドガーが技術と戦略でうまくついた勝利だったかなと。このくらいのレベルの試合になると、やみくもに一本、KOを狙うよりリスクを減らして勝ちに徹するという戦法がより有利になってしまう部分もあるかもしれない。それが見てておもしろいのかというとまた微妙な話ではあるが。