青木が専門誌で、リスクの少ない試合を心がけてると自分でいうのは意外だった。前回のガードナー戦も一度あの得意のバックからの4の字ロックポジションに入ると、そのポジションを失うことは絶対にしないようにコツコツパンチとスリーパーを狙う試合運びに終始し、対戦相手がそれに焦れハロージャパンと叫んだ瞬間にスリーパーを極めるという試合だった。
青木はあのポジションを取ったら試合を動きのある試合にしようとか、盛り上げる試合にしよう的な考えでは無く、先に書いたようなローリスクの試合運びを選ぶ。あの試合運びが5分3Rの試合で行われるのならまだ、ラウンド終了で展開がリセットされる可能性も増えるのだが、10分5分というDREAMしか採用していない変則ラウンドであの試合運びをされると、下手すると10分近くあのバックポジションキープの試合をおこなえてしまう。
DREAMは青木にとってはホームだから、青木があのバックポジションをキープしてる以上動きがあまり見られない膠着状態でも決してブレイクすることはない。だから青木は余計にリスクを冒すことなく、1R10分という変則ラウンドもあわせてあの試合運びを続けることが出来る。逆に言えば違うMMAプロモーションというか、標準なMMAプロモーションでは、あの青木のバックキープする試合運びは違ったものになるだろうと思う。
青木は対世界、世界いうが、あの変則ラウンドと身内レフェリーに助けられたバックキープにこだわる試合を続けることに体が慣れてしまうと、標準なルールに戻ったとき、若干苦しむんじゃないだろうか。青木に限った話ではなく、極端な話DREAMでの試合は、標準なMMAのラウンドの試合として評価する場合は、参考記録的な評価にまでなってしまうかもしれない(PRIDEが世界最高峰に位置していた時代になら話は変わるだろうと思うが)。
前回のガードナー戦も標準なMMA5分3Rなら、スリーパーを極める前にラウンド終了、2Rスタンドから仕切りなおしでまた違った展開になっているわけだし(別に青木が負けてたかもとまでいうつもりはない)。あと前回のDREAMフェザー級GPを見て思ったが、あの10分5分のラウンド制は大型選手が中心だったプライドならダイナミズムさに繋がっててよかった気がするが小さい選手が中心の大会になると、若干ぐだぐだなスピード感に欠ける試合に繋がってしまうのではないだろうか。前回の戦極がまだめりはりのある試合に見えたのは5分3Rの試合だったからという気がしないでもない。
試合内容をメリハリのあるものにするためにも、DREAMでの試合内容をよそのMMAプロモーションとの相対的な評価をしやすくするためにも、よそのプロモーションに出たときに、時間の違いで苦戦しないようにするためにももう5分3Rを採用すべきなんじゃないだろうか。
10分5分について書いた以前の記事