10分ー5分の変則ラウンドが勝敗の鍵?青木vs宇野を振り返る(青木vsカルバン2も)

まず10分5分の変則ラウンドについてだが、基本的には今の標準のMMAのスタイルからかけ離れてるので好きではない(後だしジャンケンぽく思われるかもだが一応前からそう思ってはいる)。

そしてこの変則ラウンドが青木vs宇野、青木vsカルバンの試合に結構な影響を与えているのではないか?ということについて。まずこの形式についての慣れに関しては、プライド武士道参戦からこの形式で試合を重ねている青木。青木戦初戦が初めて(すぐ終わってしまったが)、再戦が二度目のカルバン、GP二回戦の石田戦が初めてで、青木戦が二度目だった宇野という違いがあった。

そしてこの慣れの違いが何を生んだのか。当然のことながら宇野、カルバンは5分3R(正確にはHERO’Sは5分2Rのときもあったが)のほうに慣れている分、10分5分の変則ラウンドに微妙な感覚のずれがあったのは確かだと思う。まず青木vsカルバンを振り返ると、カルバンが序盤足関節際の蹴りからパウンドのラッシュを掛けるも凌がれ組みつきからバックポジションを奪われる。この時点が残り時間6分40秒あたり。ここから5分以上に渡ってバックポジションからコントロールされ、試合を優位に進められてしまう。

2Rが始まる時点では、バックからコントロールされた印象点でカルバンは判定で圧倒的に不利になっており、残り時間5分という短い中でそのポイント差を逆転するような試合の運び方をせざるを得なくなってしまう。こんなたらればが意味は無いかもしれないが、仮にDREAMの試合時間が標準的なMMAと同じ5分3Rだったらどうだったか。バックを取られた時点での残り時間が6分40秒だったので、残り1分40秒凌げば、次のラウンドからリスタートの形になり、印象点をそこまで悪くすること無く、残り10分残しての試合という形になっていた。もしそういう形だったらかなり試合の内容は変わっていたんじゃないだろうか。カルバンがどこか負け惜しみ的というか納得いかないような態度なのは、その変則ラウンドのせいもあるんじゃないだろうか?

そして先日行われた青木vs宇野戦。青木が序盤テイクダウンからマウントを奪うも、宇野は返しトップポジションを取る。しかしデラヒーバの体勢から足関節を取られ(靴履いてきたり、簡単にデラヒーバの体勢を取らせたのはある意味宇野スタイルともいえるんだろうが対青木という意味では正直不用意だったとは思う)、足関節は何とか凌ぐも、バックポジションを奪われる。その時点が残り時間5分35秒。

またたらればになるが、仮に標準的なMMAの5分3Rの試合なら、35秒凌げばリスタートになるし、三角締めを極められるそうになることも無かった。ただカルバンvs青木の試合ほど5分3Rだったら、展開が変わったかも?という印象も無いところはあるが。ただ三角締めを取られそうになったのは、変則ラウンドのせいもあって残り時間が5分以上ある中で脱出困難な青木の4の字フックに捕まってしまったことの焦りもあったと思うが。

青木vsカルバン、青木vs宇野ともに、変則ラウンドから来る1R10分の間に青木の4の字ロックに捕まってしまったことが一番の敗因だと思う。

http://www.plus-blog.sportsnavi.com/kkkk/article/9
こちらでもあの4の字ロックについて、議論がされており、批判する人は寝技を見る目が無い的ないわれ方をしている。確かにそういう部分もあるんだろうが、あの試合形式で、1Rに脱出困難な4の字ロックの体勢になると、青木で無いほうを応援してる側とするとなかなか脱出できず不利な時間が続いていらいらするのは確かだし、次のラウンドに入っても印象点が開いてるが逆転するには時間が足りないという意味でもいらいらっとしてしまう。

まあ試合時間を標準的なスタイルに今から戻すことは無いだろうし(自分は今でも元に戻して欲しいが)、青木のスタイルも結構支持を集め始めてる分、青木がスタイルを変えることはしないと思う。となると対戦相手が青木の4の字フックには絶対捕まらない試合運びを徹底する必要があると思う。仮に長い1R10分の間に捕まったら逆転するのは非常に困難になるだろうし。ハンセンは青木をKOしたとはいえ、ワンデイトーナメントの二試合目だと参考記録というか本当の意味で青木を攻略したことには正直ならないと思う。青木が「みんな僕のことを研究して見切ったと思っても、研究しつくせないんですよ」といっていたが、現時点ではその通りといえてしまうと思う。正直な話今でもノゲイラシャオリングラップラーとして好きな選手だが、青木に関してはどこか好きになれないので、誰か青木を攻略してほしい。