PRIDE武士道其の十三予想を総括しながら(予想と見比べて見て下さい)感想(最後に予想自己採点も)

ゲガール・ムサシvsヘクター・ロンバート
ロンバートがグラウンドに序盤やはり持ち込んだが、攻め込めず、ムサシが逆にグラウンドで優勢になる展開は予想外。あの足の長さのバックマウントは、強烈だけど、攻め手に欠けると展開が動かないので退屈だ(汗)。終盤逆にヘクターのパンチで優勢になってたが、お互いまだ技術的にもスタミナを含めた試合運びも荒削りな感じがした。0点


三崎和雄vsパウロ・フィリオ
まあ予想通りといえば予想通りだが、フィリオはタックルだけでなく、四つからのテイクダウンもパワフルだった。マウントに入ってからの無駄の無い安定感は確かにヒクソンを彷彿とさせた。三崎もグラバカなんで粘りきるかなと予想したが、フィリオの技術が上回っていた。80点


郷野聡寛vsデニス・カーン
これもある程度予想通りな感じだったけど、お互い慎重なので手数が少なすぎて、正直眠くなってしまった。GPなのでなんとか緊張感がある感じか。カーンはスロエフ戦ほどの鮮烈さというか勢いが欠けてた感じがしたが、やはりフィアンセを亡くした影響はあったのか?郷野、三崎、中村なんかの戦法は、中堅やトップから落ちる選手には通じるが、ほんとのトップクラスとやると、やられるだけ、凌ぐだけ的になってしまってるのが現状だと思う。90点


ムリーロ・ブスタマンチvsユン・ドンシク
総合でのキャリアの差が組み技での展開の差に出てたという印象を持った。ただブスタマンチももうトップクラスでやるのは難しそうか。ユンはあまり小さくなって無かったので期待したが、ブス先生のうまさの前に封じ込められてしまったか。まあ正直退屈な試合だった。75点


帯谷信弘vsルイス・ブスカペ
これもまあ予想通りの展開ではあったが、帯谷も要所、要所見せ場を作っていたので、ブスカペの塩漬け戦法とそれを凌いでチャンスを作りたい帯谷がまあうまく絡まって、まあまあいい試合かなと思った。だが基本的には試合の終始ブスカペのあの塩戦法が久しぶりに炸裂していた。90点


前田吉朗vsジョー・ピアソン
ピアソンはグラップラーということで、前田にとっては組みし易しと思っていたが、ピアソンの開始早々パンチの連打に前田が嫌がって、グラップラー相手にタックルにいったところを、フロントチョークの餌食に会ってしまい、秒殺一本負け。グラップラー相手にタックルにいった時点である意味必然の結果だったのかもしれない。前田にとっては痛すぎる負けだが、まだまだ足りないところがあるということなのだろう。0点


菊田早苗vsジョン・フランソワ・レノグ
まあ結果的にはいつもどおり菊田が抑えこむが、極めきれず判定勝ちという試合だった。レノグは多少は組み技もやってはいるんだろうけど(例えば西島なんかよりは全然出きるだろう)、やはり技術の粗が目立ち、菊田の極めの甘さでなんとか凌いだ感じか。まあ実力的には中堅よりちょっと上くらいというところか。菊田も2R以降スタミナががくっと落ち、レノグのラッシュでKO寸前にもなっていた。まあ83キロでやるのはちょっと大変なのかもしれない(今回は85キロ契約)。100点


美濃輪育久vsマイク・バートン
バートンが美濃輪の関節技を知らないデカブツ相手に鮮やかに一本勝ちという安易なシナリオを簡単に許さなかったのは、称えたいと思う。でも途中からは美濃輪も根性を見せてたので、バートンのゴールデンレフトでKO勝ちばかりを途中からはあまり望まなくもなっていた。こういう試合は今までみたいなデカブツ相手の一本勝ちよりは全然楽しめる。ただ美濃輪もかなり打たれていたので、ダメージが心配にもなった。点数無し。


石田光洋vsデビッド・ビエルクヘーデン
石田のタックルとグラウンドコントロールを過小評価していたか、デビッドが駄目すぎたのか。しかし15分塩漬けとしかいいようが無い試合で退屈だった。石田は決定力に欠けすぎだ。でも割と会場の反応がよかったな(汗)。0点


青木真也vsクレイ・フレンチ
やはり青木は組み技に徹底的に付き合わない選手とやると今後も苦戦しそうだと私は感じた。急きょ参戦した実績も乏しい選手に、かなり打撃をもらっていたし。ただあの引き込みからの三角絞めの威力、精度は本当に素晴らしい。青木の対戦相手はあの引き込み三角、ラバーガードからの三角には事前からの研究、対策を十分にする必要があるだろう。それができる選手に、クレンチが序盤やったような戦法をトップクラスの選手がやれば、意外と青木も崩れると思う。メレンデスが大晦日に間に合うならこの二人の試合は是非見たいと思う。点数無し。


五味隆典vsマーカス・アウレリオ
青木対メレンデスでリスクを回避してお互いの領域から極力出ない試合は避けて欲しいと書いたが、まさにそんな展開だった試合のように思った。アウレリオのあの待ち戦法じゃ挑戦者としてどうかというか、あまりチャンピオンになってほしくないなと試合中思ったし、まあ五味も防衛第一な試合で、五味自体タイトル防衛戦という感じの試合があまりらしさが出ないのかなとも思った。50点。


デニス・カーンvs三崎和雄
勝ち上がったいや負け上がった三崎と、禿げ上がった(郷野にいわせれば)いや正真正銘勝ちあがったカーンの決勝戦。カーンは郷野戦でも覇気が多少無いように感じたが、三崎戦では右肩負傷?のせいかさらに勢いの無さを感じる。カーンの右ストレートが自分自身の肩をも破壊してしまっていたか。右パンチが半封印状態のためか、カーンがグラウンドに持ち込む作戦をとる。三崎はそこから返して4点ポジションからの膝で与えたダメージが主に判定での勝因か。フィリオに何もできず完敗したかと思えば、フィリオ負傷で、決勝進出、決勝の相手カーンも手負いの状態と2005K−1MAXでのアンディ・サワーが霞むくらいのラッキー王者というのが一番の感想。だが会場の反応は五味対アウレリオのぐだぐだの試合のせいか意外に盛り上がっていた。

総括
ライト級は特に目立った動きはなかったという感じ。ウェルター級GPはまさかまさかで三崎が王者になったが、ウェルターのエースとして引っ張っていくんだろうか(汗)。フィリオと再戦すればまず完敗するだろうが・・・。しかし混沌のウェルターと高田がいってたが、現王者ダンヘン、それに勝利し、GPを制した三崎、三崎に何もさせず完勝したフィリオとどう今後展開させればいいか、わけがわからないようにも思うが、今後どうなるんだろう。大晦日ダンヘン対三崎三度目の戦いで、現王者vsGP王者の統一戦?見たい人いるんですか(汗)。まあ統一戦を無理にする必要は無いだろうと思う。


郷野、三崎、中村らの戦法(勝手にグラバカアウトボクシングGOB(リスクを最小限にした試合運び)と命名)GOBをしても83キロより上の日本人ではトップどころには通じないのが通例なのだが、運のめぐり合わせでトップをとってしまったのが、今大会のまとめになってしまうんだろうか。五味対アウレリオもお互いGOBだったし。ムサシのバックマウントもGOBといっていいだろう。菊田、石田、ブスカペも。そう考えるとGOBが蔓延すると、大会全体はつまんなくなるのも無理はないということか。