近藤対郷野一戦目を自分の感想を加えて振り返る

2001/12/1横浜文化体育館 × 郷野聡寛(Team GRABAKA)○ 近藤有己パンクラス東京)3R 0'52" TKO (タオル投入)
http://www.boutreview.com/news/data/grappling/1007235220.html(当時のバウレビの記事)

試合前は正直近藤が勝てる確率は少ないと思っていた。冷静に考えれば郷野に一本負け、KO負けする確率は郷野対山宮見ても、少ないはずなのに、その可能性も高いくらいに思っていた。近藤の勢いが欠けてたのと、それくらい当時のグラバカの勢い、郷野の口撃の印象が強かったのだろう。試合自体は、郷野が事前に「わざわざ相手の得意なとこに付き合うことは無い。組めば100%勝てる。寝技なら寝起きでも勝てる」と語っていたように、打撃戦には付き合わず組み付きにいく試合展開。近藤は何度も倒されるも、抑えこませず立ち上がる。そのことが郷野のスタミナを奪っていく。


グラウンドに持ち込めないため、近藤のスタンドでの圧力を、郷野はもろに受け始めさらにスタミナを消耗する。二度目の菊田戦なんかと比べると近藤の立ち方は上半身に多少力みを感じるか、前に出る圧力は凄まじい。そして2R近藤がさば折りからグラウンドに持ち込み、ハーフガードから強烈なパウンドで攻め込み、KO寸前まで追い込む。3Rには、郷野の右のパンチをダッキングし、カウンターで右フック、そして膝蹴り、マウントからのパンチのラッシュで、菊田からタオルを投入させ、近藤がTKO勝利を奪うという試合だった。


そして5年の時を経て再戦する二人だが、前回の試合はほとんど参考にならないと考える人が多いだろう。郷野はクレバーな選手だし、前回みたいにスタミナで根負けする二の舞を踏むことを一番警戒した試合運びをしてくだろうし。お互いの今の力関係は?郷野はどういう試合運びをするか?近藤はどうやって勝機を見出すか?他のプライドファン、格闘技ファンがどう思おうが、私的には、大晦日最大の注目のカードだ。

おまけ
菊田戦直後の格闘技通信の近藤インタビュー抜粋

−以前から聞きたかったのですが近藤選手のパウンドにはコツがある?近藤それはどうでしょう。−近藤選手はパスしていなくても。いいパンチが打てる数少ないタイプだと思います。この違いはいったい何なのですか?近藤他の人に聞いてみたい。冗談はともかく、まず自分の土台をしっかり作る意識ができてるかが問題なんじゃないですかね。よくガードに入ったときセコンドがベースを作ってというじゃないですか、あの感覚に近いと思う。−もっと具体的にいうと?近藤できるだけ全身を伸ばしたような感覚で打ちます。でも意識だけ伸ばしてしまうと身体も腰も相手のほうにいってしまうだけだから、伸ばすときにしっかり腰を抑えて打てば、しっかり打てる。−ヨーガの師である小山氏も「ゴムのように戻る力が大切」といってました。近藤なるほど。普通パンチを打つ時に意識するのは肩からだけど、僕のそれは股関節から腕までが一体となってるような感じですね。