球団の考えと現場のギャップ

nf3.sakura.ne.jp

 

球団からすれば毎年のように主力が流出しても、新たに出場機会を得る若手の成長と、外国人の補強で埋められると考えている。このサイクルがうまくいけば、コストの高くなってきた選手を新しい年俸の安い選手と入れ替えられるので、予算を抑えることができる。

 

ただ若手がフロントの思惑通りに成長できず戦力にならなかったり、補強した外国人が機能しなかったら、主力が流出した分の戦力低下がもろにチーム成績に直結してしまう。若手が成長して戦力になるか、外国人が機能するか少なくともどちらかがうまくいけば、まだチームとしても戦える範囲だろうけど、今年に関してはどちらもうまくいってない印象。

 

その負担を受けるのは、今試合に出場しているレギュラーの選手になってしまう。彼らが常に出場機会を与えられても結果が出ない若手の分のカバーを毎試合余儀なくされているのが今のチーム状況になっている。

 

例えば結果が出ない若手の選手がオーダーの中に一人とか二人ならまだレギュラー組もカバーはできると思う。今年に関して言えばレアードを放出した結果、オーダーの中の若手の割合が増えている。金子コーチ流にいえば

 

「勉強しないといけない選手が半分以上いる中で、経験や実績のある選手がカバーしているうちは打線がつながらない」

 

 

というのが今のチーム状況になっている。レアードが残っていたなら、チームのレギュラーは西川、大田、近藤、中田、レアード、渡邊の6人だっただろうし、若手のカバーもなんとかできたと思う。

 

今のメンバーは西川、大田、近藤、中田、渡邊がレギュラーとしてチームを支えている状態。レギュラーを放出するというのは、オーダーの中に経験の少ない若手が増えることになるので、レギュラーが彼らをカバーしないと試合に勝つことができない。

 

もちろんある程度それができていれば、そういうチーム編成でも勝つことができるけど、より経験が重要になるシーズン終盤戦になってくると、それも難しくなってくるし、4人、5人になっているレギュラーの内の一人でも負傷や不調が起こると、より他のレギュラーのカバーが難しくなってしまう。

 

球団は皮算用でコストを最小限に済むような理想論からチーム編成を進めるけど、現場はいつもその皮算用通りにうまくいくわけではない。そのギャップが今年に関しては、大きく現れてしまっている。

 

それでもなお今の球団運営の方針を続けるのか。あるいは多少は柔軟というか臨機応変に、主力選手を残しながら、チーム編成を進めるような方針変更があるのか。今までの球団運営はとにかく削れるところは何が何でも削る。結果的に戦力が低下して、チームが負けようが関係ない。コストを削れるだけ削って、そのチーム編成の中で勝ちを探るスタイル。

 

そのスタイルをあくまで貫くのか、多少は変わる可能性があるのか。なんとなくだけど、西川なんかはこんなに毎年主力が流出して、チームの編成を若手ばかりにして、勝てるわけないじゃないかと、ひそかに思ってるのではないだろうか。