近藤vs佐々木

ちょっと何から書いていいのかわかりませんが、また知ったかぶり書き殴りで試合を振り返ります。細かい展開は映像で見るなりに他の記事を見てもらうとして、気になるところを一つづつ。ほぼ近藤視点で。

近藤は佐々木が回りながら距離を取る戦法に対して回る方向を予測しながら距離を詰めていく。郷野は近藤はそれができてないといってたが、近藤なりには多分やってるつもりだと思う(汗)。レノグ戦、郷野戦と比較すればあの周りながら距離を取る作戦に対して横の動きで距離を潰す詰め方はやろうとはしている(山宮戦もそうだった)。結果的には詰め切れてないので、山宮戦同様今回も負けてしまったんだろうとが。

あの距離の取り方に対して横の動きでも距離を詰め切れないとなると強引に前にいくしかない。そうなるとどうなるか?
アウトボクシングに対して書いた以前の記事
http://d.hatena.ne.jp/iippanashi/20070315

結果腰(重心)が浮いた感じになり体のコントロールを失ってしまう。佐々木はそこがチャンスなのでその隙に組み付きにいく。体が前のめりになって腰(重心)が浮いて体のコントロールを失ってしまった状態で組み付かれるとテイクダウンされやすくなってしまったり、脇を差されやすい体勢になってしまう。1Rはうまく対応して両差しの体勢を取れたが(後にテイクダウンされるが)、2Rは片脇を差されてしまいそのままテイクダウンを奪われ一本負けしてしまった。

ああいう回って距離を取る相手に対しての動きとしては、冗長になりすぎてしまうし、前書いたものと被るが、郷野が解説でいってたように横の動きを予測してそっちに先回りするような圧力の掛け方をしなければいけない。そして圧力を掛ける際体がコントロールを失わないような詰め方をしなければいけない。距離のある状況で距離を詰めようと飛び込むような形な詰め方は非常に体のコントロールを失う可能性が高まってしまう。横の動きをしつつ体のコントロールを保ちながら近藤得意のショートパンチが当たる距離を作って相打ちに近いタイミングでパンチを打って行くことをこの試合ではしてほしかった。

他で気になる点といえばまず1Rの差し合い。最初の時点では近藤得意の両差しでコーナーに押し込む展開。ここで足を踏んだり肩パンチでプレッシャーを掛けていたが、一瞬の隙を衝かれて片脇を差されてしまいテイクダウンに繋げられてしまう。郷野は佐々木の四つからのテイクダウンがうまいといっていたが、近藤の場合たいてい片脇を指されてクラッチを組まれると倒されてしまう傾向がある。だから近藤の場合差し合いの場合両差しを保つ必要がある。二度目の菊田戦ではほぼ両差しを保ていたのに、今回差し返されてしまったのはなぜか。集中力とか技術的な問題ならまだいいが、変に膠着を意識して動こうとした隙なら問題がある。膠着した場合レフェリーがブレイクしてくれるのだから近藤が試合を動かさなきゃいけないとか思う必要は無い。これも前に書いたが。あの両差しでコーナーに押し付ける体勢が取れた場合膠着してもいいんで絶対に差し返されないように地味にプレッシャーを掛け続ける必要があった。

最後にチョークスリーパーであっさり一本負けしたことに関しては、トップレベルの試合であんなにあっさり極められてしまう試合は見たことが無いので正直フォローできないが、菊田が以前近藤選手はチョークに弱いところがあるといっていたように、戦跡振り返ってみてもそういう傾向はある。あるにしてもあそこまであっさり取られてしまうところがスランプといってしまうしかないところかもしれないが。

まあ技術的に振り返るならそんな感じだが、あえていうと近藤のスランプの一番の原因はコンディションだと思う(関節技で一本負けしといていうことじゃないかもしれないが)。郷野も近藤の体の緩さに言及しており、練習の質がどうなのか根本的に見直さないとだめじゃないかといっている。この件に関してはもう飽きるほど書いているのだが、近藤は同じ練習環境で練習する限りあのコンディションが改善されることは無いだろうし、再浮上することは無いだろう。

はっきりいって日本人相手に一本負けというのは近藤の商品価値がゼロになったといっても過言ではないと思う。それでもなお今の練習内容、環境を変えないで試合を続けるのか。一筋の光かも知れないROFでの試合のときのようにジョシュのもとで一から作り直すのか。期待しないで待ちたいと思う。

追記
またしったか技術論を書くが、郷野がいうような距離を取る相手に対して横の動きを前もって予測して距離を潰す、圧力を掛ける戦法は、山宮戦、佐々木戦ともに近藤なりにはやっていると自分は思う。やっていても詰め切れないのは、近藤のナチュラルなコンディションが落ち、スピード、パワー、圧力がいい調子のときに比較して半減していることがその戦法の効果自体を半減させることに繋がってしまっていると思う。だから今の近藤がいくらその戦法を徹底したとしても、効果が半減していることが山宮戦、佐々木戦の結果に繋がったと自分は思っている。

もしかするとホジャー戦、佐々木戦で両差しの体勢から差し返されてしまったのも体幹が弱まってることが、影響してるような気がする。別に根拠があるわけでもないのだが。最後のチョークで取られる所もいいときと同じコンディションで取られたのならある種納得もできるのだが、今の近藤は勝ち負け以前に、近藤らしさを見せられるコンディションからは程遠いのでそれすらもできないというのが、現状ではないだろうか。