まずソクジュｖｓＬＹＯＴＯの試合は予想ではソクジュがなんとなく勝つんじゃないかなと（期待度も込みで）思っていた。フィジカル面でいえばソクジュのほうが上にも思えていたし。展開的にはＬＹＯＴＯが金網の広さをうまく利用したアウトキックボクシング（中村カズ命名）戦法でソクジュの圧力を殺し、スタンドで主導権を握っていた。ソクジュも何度かテイクダウンするが、一度目は押さえ込み際にスイープされトップを奪われ、二度目はラウンド終了間際だった。
グラウンドに入ってからはソクジュはポジションを奪われてからはガードポジションに戻す動きも見せられずＬＹＯＴＯにやられるがままという感じだった。今まで見えなかったソクジュの穴がケージとＬＹＯＴＯによって丸裸にされてしまったような試合だった。また素人が技術論をいえば、サウスポースタイルの選手が、あのステップワークで距離を取ってカウンターを狙うスタイルは、試合で勝つ上ではリスクも最小限に抑えられてかなり有効な戦法だと思う。広いＵＦＣの金網では特に。あの戦法で相手の焦りを誘えればＬＹＯＴＯはこれからも、ＵＦＣライトヘビー級で活躍する可能性は高そう。修斗でいえば漆谷選手などもあの戦法で戦っていて、ぶっちゃけつまらない試合運びという評価をよくされるが、リスクを減らして勝ちにいくという意味ではやはり有効な戦法ではあると思う。
ソクジュはアローナに最強の選手だという評価をされていたが、この試合で穴を見せてしまったのが正直なところだと思う。ただまだ若いので、グラウンドの技術などは改善しようと思えばできるとは思いたいが・・・。立ち技に関してはプライドのリングと違い広い金網ではプレッシャーの掛け方を考えないとソクジュの一番の武器と思われるスタンドの圧力が全て死んでしまうので金網での圧力の掛け方を考えないといけないと思う。これはミルコなどプライドからＵＦＣに来た多くの選手にいえるのだが・・・。何回も書いてるがそれができてるのはジャクソンくらいだった。
シウバｖｓリデルに関してはリデルが得意のステップしながらロングレンジからカウンターの右などで有利に試合を運ぶかなと思っていたが、シウバもプレッシャーの掛け方などを見る限り対策は結構練っているのかなとは思った。ジャクソンがリデルを攻略した、リデルのステップを先回りする形でプレッシャーを掛けカウンターを狙う戦法をシウバも何度か見せていた。
ただシウバのリーチとフック系が多いスタイルではリデルに有効となるカウンターはあまり当たらなかったという感じか。あとリデルのステップを先回りするのはいいが、結局シウバのほうから手を出す形も結構多く、それでリデルに捌かれてしまうことが多かったのかもしれない。シウバの戦法としては、リデルのステップを先回りしてプレッシャーを掛けつつ、あえて手は出さず、リデルが金網に追い詰められてる状態で手を出させてそこをカウンターなり打ち終わりを狙う戦法を徹底してほしかったなと思う。最後になるがＵＦＣの金網は正直広すぎて、前に出て攻める側のプレッシャーが分散してしまう展開が多いと思う。これは攻める側の攻め方が悪いというのも大きいが、リングでの試合ならあそこまでプレッシャーが拡散することは無いので個人的にはやはりリングでの試合のほうは好きではある。
