ミノワマンと前田日明

パンクラスからPRIDEに移籍後、PRIDEの偏ったマッチメーク、使い方のせいで成長が止まってしまったどころか弱くなってしまってるようにも見える、ミノワマン。現在ではHERO'Sに移籍。ここでのミノワマンの使い方も彼のキャラクターを100%生かすならPRIDE所属のときと同じように穴のある相手とのマッチメークをして、等身大の力が見える(対同階級の強豪外国人や、対グラバカ、近藤など)ようなマッチメークをしない必要がある。そういうマッチメークを続ければ予定調和的に今のミノワマンの人気は保たれる。

だがそれはMMAの選手としての成長には繋がらないということにもなる。HERO'Sデビュー戦での、総合デビューの柔術家ケーシー相手に途中まで塩漬けされて何もできない内容(最後ケーシーが打撃戦を仕掛けたのでなんとか勝ちを拾ったが)からも、それは明らかだと思う。

総合デビューのケビンケーシーに苦戦しながらも結果勝ったことで、ファンも谷川Pもミノワマンをちやほやしてしまうような状況になってしまった。がそのミノワマンに対して駄目出しをする人間が一人いた。それが前田SVだった。

http://www.angle-j.com/archives/2007/09/18_1554.php#more

前田SVは「スパーリング不足が露呈した。ああいうタイプの選手への対応ができていない」と、やや辛口の評価。

前田はミノワマンの無差別路線に対してもダメージの心配などからあまり賛成しておらず(自分は無差別といっても美濃輪を勝たせるために穴のある相手当ててるんだし、大丈夫だろと冷たい意見を持ってるが)、ミノワマンのマッチメークもライトヘビー級で使っていきたい意向を持っていた。プロモーターの谷川Pは、ミノワマンvs曙とかみたいなカードはやらない的な発言をしていたように思う。そうなると意外とHERO'SではPRIDEよりは、実力路線、同階級との対戦でミノワマンは使われる可能性が高いのかもしれない。今回のデビュー戦の相手も最初はハレックグレイシー、次はケーシーと多少の体格差はあるにしても基本的には近い階級での試合だった。

近い階級での試合ではあったが共に総合の経験は浅い相手でもあったので、ミノワマンでのHERO'Sでの使い方は対強豪外人は避けUWF系プロレスラーと、グレイシー系との対戦が中心になっていき、穴のあるデカブツ系との試合は少なくなっていくのかもしれない。前田はミノワマンのことを対策不足、スパーリング不足と練習環境を整えるように進言助言しているが、対UWF系プロレスラー、対グレイシーに相手が限られるなら、そこまで変える必要も無いと思うし、ミノワマンも変えないと思う。ミノワマンの商品価値を守るようなマッチメークに終始するなら、ミノワマンのパフォーマンスが変わることも無くパンクラス全盛期に見せた動きの止まらない試合は見られることも無いと思う。可能性があるとすれば前田SV(谷川Pでもいいけど)が、ミノワマンに厳しい相手を続けて当てて、負けたりすればミノワマンがそれに対応できるようなトレーニングをする可能性もあると思うが、それは結果的にミノワマンの商品価値暴落に繋がる可能性が高いわけでそういうマッチメークをする可能性は低いと思う。となると今のままのPRIDE系ファンに大きな支持は受けるが、格闘技ファンにはどこか斜め見されてしまうような状況は続いていきそう。