ユン・ドンシク、そして秋山

地上波ではものの見事にカットされてしまったユン。試合内容は弁慶相手に一分二十九秒で一本勝ちだったので、煽りV合わせても4,5分程度で放送してユンを地上波でアピールして欲しかった。せっかくダイナマイトUSAでマヌーフ相手に感動的な勝利をしても、時間が空くとインパクトが薄れてしまう。だから今回の秒殺勝利を放送しなかったのはもったいなかったと思う。

ただHERO'Sがライトヘビーで押そうとするのは日本人が多いためユンをそういう日本人と当てて空気を読まず勝ってしまうとプロモーターも困るのでユンをフィーチャーしにくい部分もあるのかもしれない。前にも書いたがライトヘビー級は日本人、グレイシー系と外国人勢には日本人をプッシュするためにちょっとしたラインみたいなものがある。その辺でライトヘビー級の外国人はフィーチャーされにくくある種損をしてるところがあるのかもしれない。

復帰問題で揺れている秋山だが、この辺の外国人勢とやったら、個人的には興味深い試合になることが多いように思う。下手に日本人と絡ますと、秋山が勝ってしまって、あの事件を許せないようなファンが歯軋りするような展開になる可能性が自分は高いように思う。秋山にとっても勝っても祝福はされないだろうし、返って微妙な立場にもなりかねない。なんで秋山はUWF系日本人グループと絡ませず、対外国人勢、対ユン、カーン、そしてヌルヌル柔道着、オイルを使わずに裸一貫で対マヌーフの3連戦を希望したい。このタイプの違う3選手を相手にしても勝っていけるなら(オイル無しで)、さすがに認めるファンもそれなりに出てくると思う。今の秋山を変に話題性のために日本人対田村や対吉田的な使い方をするのはかえって逆効果になってしまうと思う。

こういう微妙な状況だからこそ、秋山を使うなら話題性に頼らない対外国人勢で秋山を使うというマッチメークを自分は望みたい。話題性のある対日本人で、秋山が勝ってしまうような展開はHERO'S全体の歯車を狂わせる可能性すらあるように思える。日本人勢とグレイシー系と外国人勢にラインがあると何回かいったが秋山を復帰させるなら外国人勢の枠で戦わせることが、丸く治める方法のように自分には思える。

話をユンに戻すが評価がうなぎ登りのユン。瀧本も弁慶に勝って評価がうなぎ登りしたが、やはりあの瀧本の勝利は弁慶の穴があったせいというのが大きかったと思う。だがユンは瀧本以上の内容で弁慶を下し、秋山以上の内容でマヌーフを下している。対ストライカーという意味でならユンは高い評価を自分はしていいと思う。だが、対グラップラーとなるとどうなるのか。マヌーフにしても弁慶にしても組み技に穴があったのは否めずそこをユンが突いての勝利だった。だがグラップラーなら組み技に穴は無い。去年の武士道ではBTTのブスタマンチに地味に判定負けを喫している。そういう選手を相手にすると意外といまでも苦戦する可能性は高い選手でもあると思う。あと対グラップラーを得意とする打撃系の選手(近藤みたいなタイプ)とやったときにどうなるか。そういう選手とはいままでにやってないので、そういう選手との試合も見てみたい。