ミルコの追い方

ミルコ再起戦の結果は中堅のコンゴに3−0の判定負けということに終わってしまった。内容で気になったのは、ミルコの追い方がUFCデビュー戦と同じ正面から追うだけのものだったこと。結局左回りに下がる相手を正面から追い続けるだけなので、相手選手は追い詰められることなく常に逃げ続け、ミルコも遠い間合いでしか手数を出せず、有効な攻めに繋がらないまま、1R終了。2R開始時にはスタミナ切れなのか、ミルコが下がる展開になり、コンゴに2R,3R攻め込まれ判定負けを喫してしまう内容だった。

デビュー戦で左に回り続ける相手を正面から追うだけのステップでなかなか捕まえられず苦労したところが今回の試合でも修正できてないように思えた。キックボクシングの精度を高めるためにヒポリットを招聘したのはいいが、ヒポリットのコーチングもリングでの試合ありきのものだと思うので、金網でのものにはうまく適応できなかったんじゃないだろうか。

ジャクソンは金網をステップして下がるリデルの回り方を予測して先回りしながら追いかけリデルを捕まえたが、ミルコはそこができてなかったと思う。コンゴの試合を自分は見たこと無いのだが、もしかしたらコンゴは過去の試合ではああいう左回りで下がりながら試合する試合運びはしておらず、ミルコもそういう対策をしてなかった可能性もあるか?ああいう左回りの相手には、正面から追うより、回る側を先回りしてミルコ側から見て右側からプレッシャーを掛ける展開が望ましかったと思う。

そういう意味では試合運びに残念な点が自分にはあったが、それをいっても後の祭りで、ミルコUFCで二連敗、それも今回敗れた相手は中堅選手ということで、かなり再起は難しい状況になったように思う。自分の感覚だけでいうならミルコはこのまま引退の可能性が濃厚のように思う。仮に再起戦をするにしても相手がいるかどうか。もし再起戦をすることがあるなら文字通り進退を掛けた試合になるんじゃないだろうか。