UWF系が集まる意味

前田がSVをするHERO’Sに桜庭、田村、船木、ミノワマン、柴田らUWF系の選手が集まっている。そして桜庭vs柴田が決定し、今後桜庭vs船木が濃厚。それ以外でも桜庭vs田村は谷川PがPRIDEに遠慮して組まないといっていたが、実際問題PRIDE再開の可能性が見えないことで、HERO’Sで組む可能性もあるというし、ミノワマンvs船木の可能性も十分ある。ミノワマンは桜庭、田村との再戦を希望しており、そのカードはプロモーター的にも、おいしいカードであり、勝ってる側の桜庭、田村にとってもミノワマンはリスクが少ないかつ人気選手ということでおいしい選手なので再戦の可能性も十分あると思う(HERO’Sではやってないし)。

田村は船木との対戦も希望してるし、柴田と組まれれば喜んで受けると思う。今後この桜庭、田村、船木、ミノワマン、柴田ら5人は新生UWFのときの前田、高田、山崎、藤原、船木らのときのように入れ替わり立ち代わり対戦をしていくんではないだろうか。だがこの5人の絡みじゃお互いのリスクが感じられるカードは桜庭vs田村を除けばほとんど無いように思える。実力差があったり、ミノワマンや柴田は人気はあるが総合の実力に疑問符の残るおいしい選手だし。格闘技的視点を除いてプロレス的視点、UWF的視点だけで見る、ある意味別枠でだけ見るならいいのかもしれないが、やはりVTの試合は果し合い的な、負けたほうが色んなものを失うという緊張感があってほしい。それをこの5人で見せられるかというと難しいような気がする。

船木にしても、VTの実績はほとんど無い上で7年ぶりに復帰して、桜庭や田村、総合においてあくまでプロレス的価値観で生き残ろうとするミノワマンと試合することの意味というのもよくわからない。その試合で何か見せたい、見せられるといっても自分には現在進行形の格闘技においては、説得力に欠けると思う。北岡がいった過去対過去で終わらすなら船木が復帰しても、最前線にはなんの影響も与えないエリアでの復帰、おいしいとこどりの復帰というだけで終わると思う。仮に柴田、ミノワマンに総合での実績、あるいは実績を積んで上がっていこうという気構えが見えるならいいが、現時点でいうならこの二人はHERO’Sのライトヘビー級、プロレスの価値観でしか光れない選手だと思う。その選手と桜庭、田村、船木の絡みだけじゃ、現在進行形の格闘技とは一線を引いた別枠での評価をせざるを得ない。

それを払拭するためにグラバカを入れれば確かにプロレス色は薄まり格闘技としての説得力は高まるが、薄まりすぎてUWF勢の色が消されてしまう可能性は大。それはもったいないというかプロモーター的には尻込みしてもしょうがない。では誰が入ればいいか。いわゆるプロレス式の練習生から育って、グラバカと凌ぎを削ったパンクラスのエース近藤はどうだろうか?パンクラス出身のミノワマン、船木がその場所にいるだけに違和感は少ないはず。

桜庭や田村と戦いたがる船木とミノワマン、船木やミノワマンと戦いたがる桜庭や田村。ミノワマンにしても船木にしてもパンクラス出身なんだから、けじめとしてパンクラスのエース近藤と決着つけてからその辺りの試合に臨んで欲しい。パンクラス出身のミノワマンや船木にばかりチャンスが与えられるくらいならずっとパンクラスを守ってる近藤にそういう選手と戦うチャンスが与えられてもいいはず。ミノワマンは、イロモノ的なマッチメークでプロテクトされて人気を得てそういうチャンスを得た。船木はVTの実績で無く、掌低時代のパンクラスの実績、人気でそういうチャンスを得ようとしている。それはどうなのか?最近負けが込んでるとはいえパンクラスでの実績は、ミノワマン、船木より近藤は確実に上(ミノワマンのPRIDEでの実績はあくまでイロモノ枠)。近藤には、ミノワマン、船木を出し抜いて欲しい。ミノワマン、船木に脚光が当たってチャンスを与えられる前にこの二人を食って、そのポジションを奪い取って欲しいと思う。だから北岡のアピールに近藤も便乗して、その辺りとの選手の対戦をアピールしてほしいと思う。