HERO’S、PPV放送の可能性

まず谷川PのインタビューとしてはK−1は、地上波放送中心で一般大衆向けに、HERO’Sはコア路線向けにPPVなどで(地上波が据え置きか撤退かはいってなかった)やっていきたいという発言をしていた。これを見る限り谷川PはHERO’SをPPVで放送したい考えはもっているように思える。コア路線向けというのも、まあいわゆる一時のPRIDEのファン向けのような意味だと思う。

現在HERO’SはTBSで当日地上波放送をしておりそれを軸にして運営している。ここにPPV放送をつけることのメリットやデメリットを考えてみると、まずTBSにおける格闘技中継の過去のPPV放送がどれくらいあったかというと(記憶してる限りで)、まず第一回ダイナマイト(国立競技場)、そして2002猪木祭り。自分が知る限りこの二大会だけじゃないかと思う。この二つの興行の主催はDSEだったらしいので、DSEとスカパーの関係からすんなりPPV放送ができたのかもしれない。

となるとFEG主催のHERO’SをスカパーPPV放送するのはまた別の話になるのか。ただ当時のDSEはK−1支配下にあったという噂もあるので、その辺も考慮すればFEG主催興行のPPV放送も可能性はあるとも考えられる。

そしてPPV放送が実際ついたならメリットとしてまず考えられるのは、売れたPPVの分の利益。ズッファはWOWOWとの契約をPRIDEがスカパーから得る利益を聞いて打ち切ったなんて話もあるくらいPPVが売れれば(数万件売る必要があるが)利益を得ることができる。うまくいけばHERO’Sが軸にしている地上波放映権料と同額くらいまでの利益も得られるかもしれない。それができれば(すぐにできるとは思えないが)、興行の規模は確実に一回り大きくすることはできる。それが観客動員においてプラスに働く可能性もあるし、新しい選手を獲得する資金にもなる。トップどころの選手はズッファが総取りしそうな勢いに思えたが、独占契約がネックになったり、ズッファが欲しい選手は取られるにしても、ズッファは評価してなくても日本でなら商品価値の高い選手(まあ主に日本人選手だが)は、取り合いになることもなく獲得できたりするようだし。

もちろんPPVをつけるデメリットも無いわけではない。PPVをつけることでTBS完全版放送やDVDの価値は落ちるだろうし、会場に足を運ぶ人がPPVで済ませてしまい観客動員が落ちるという可能性もある。だが隆盛のころのPRIDEを見れば、地上波放送、会場の動員、PPVの売り上げと3つがうまく柱になって進んでいたので、HERO’Sの規模を大きくして、日本の総合のマーケットを多少なりともアメリカの対抗させるためには、HERO’SにPPVをつける、いわゆるPRIDE化は必要になってくると思う。

色んな障害がクリアになってHERO’SのPPV放送が可能になったとしても、最後のネックが自分にはあるように思える。それがHERO’Sの地上波の中継枠では日曜日は取れないことから日程が日曜日以外に限られてしまうことだ。一度あった土曜日ならさほど問題は無いが、祝日でも無い平日のPPVだと、開始時間が平日の6時前後になってしまい、その時間帯だとPPVの購買数には多少マイナスのように思える。土日以外の日程なら極力祝日の日程を抑えていくことがPPVを効率よく売るには必要なことだと思う。次の大会の9月17日は・・・月曜日の祝日というまさに日曜日の枠が取れないHERO’S的にはベストといえる日程。PRIDEっぽい試合が組まれるといわれる次回のHERO’S9・17大会だが、PRIDEの意識させるならこの大会からPPVを付けれればさらにそのPRIDE効果?は高まりそうだが、果たして実現するだろうか・・・?