PRIDE,UFC提携について現時点の感想

一連のダナホワイト社長の発言を見る限りUFC側のプライドへの影響力はかなり強いものに思える。階級、ルール変更も難なく通りそうな流れか。DSE体制のプライドがジリ貧だったのは確かだが、先日のプライド34。マッチメークを見ればMMAローカル団体(例えばケージレージ)に毛の生えたレベルに見える。階級のトップクラスの選手はアローナ、ソクジュ(マッチメークの時点ではまだそこまでの評価でもなかった)、青木(個人的には77キロだと世界クラスとは思えないし、今回は金魚マッチだったが)の三人だけだったと思う。

そのレベルのカード編成でも、興行全体としての評価はかなり高かった(自分はそんなでも無いが・・・)。これはプライドのブランド力、演出力(自分は最近の煽りVは好きではないが)が、押し上げたためというのは確かだと思う。UFCは勢いを増して、プライドのトップ選手を根こそぎ取ろうとする勢い。結果プライドからMMAのトップ選手が少なくなりつつ現状だ。UFCがどういう意図でPRIDEを買収したかは、自分には計りかねるが、選手をねこそぎ取られるのはまだしも、ルールまで捻じ曲げてしまうのは、PRIDEのブランド力に影響がでかねないか心配だ。

5分3Rのグランドの蹴り無しというルールは、確かに総合格闘技の競技化という意味ではいいが、PRIDEらしさの欠如に繋がる可能性は自分は高いと思う。アメリカ大会では影響は少なかったというが、PRIDEルールが定着している日本と、そうではないアメリカでは切り離して考える必要があると思う。4点膝と10−5−5、頭部への肘無しはなんとかPRIDE側は死守すべき事項だと思う。ルール変更を簡単に許してしまうと、PRIDEはPRIDEというより単なる一MMAプロモーションに成り下がってしまうように思える。トップ選手がより資金力のあるプロモーションに次々流出したとしても、PRIDEのブランド力をうまく生かして、カード編成、プロモートしていけばPRIDE34か、それ以上の興行は作れると思う。

しかしUFCに売却した結果こうまでUFCの影響力が強い状態を許してしまったとなると、UFCの二軍、UFCジャパンでしかない、PRIDEという状態に近いうちになるんじゃないかと考えてしまう。トップ選手の流出で世界最高峰の舞台では無くなったにせよPRIDEのブランド力で、それなりのイベントはできることを示したともいえるPRIDE34。新オーナーとダナホワイトはその舞台のよさを殺してUFCの単なる草刈り場にするのか、多少なりとも生かそうとするのか。後者であってほしいとは思うが・・・。