近藤対郷野について再考

試合の後は近藤の力自体は出せたほうだと思ったが、何度か見返してみると郷野のアウトボクシングスタイルに対して確かに無策っぷりは否めない。同じアウトボクシングタイプだったレノグ戦の後でその感想を書いたが、このときの反省があまり生かせてはいないように思う。近藤対郷野の予想の段階では郷野はレノグよりリーチがない分まだ郷野のアウトボクシングには対応できるかなと思ったが、郷野はレノグよりスピードがあるし、ヒットアンドアウェイ戦術にははるかに長けていた。


郷野相手にまた後出しジャンケンで素人考えでどうすべきだったか考えると、レノグ戦同様郷野もオーソドックスな構えなので、距離を取る際は基本的に左に回りながら距離を取る。それを簡単にさせないように、近藤は正面からでは無く、郷野側から見て左斜め前からプレッシャーをかける展開のほうがよかったと思う。近藤の郷野へのプレッシャーの掛けかたはレノグ戦と同じ正面からのものが多かった。


コーナーに何度か追い込んだけど、そこでのプレッシャーのかけ方も正面からのものが多いので、ひょいって感じで簡単に左側に逃げられてしまっていた。相手から見て左斜め前からのプレッシャーの掛け方を続ければ、郷野も右に回らざるを得ないので、多少リズムを狂わせられたかなと思う。例えばコーナーに追い込んで、左に回れないようにプレッシャーを掛けて、相手が右に逃げるところを予測してそこを攻めるとか。正面からプレッシャーを掛けて普通に相手に左に回らせてそこを予測して攻めるとか。まあ素人考えなのでこんな簡単にはいかないだろうけど。ボクシングの話だが先日のWBC世界バンタム戦長谷川対ガルシア戦では王者長谷川相手にガルシアは、右に(サウスポーは主に右に回る)回ろうとする長谷川の動きを研究して、そうはさせないように、長谷川から見て右斜めからプレッシャーを掛け続けるステップをずっと練習してたらしい。結果長谷川は左に回る展開が多くなり自分の距離をなかなか取れなかった。


まあ郷野戦が決まったのは、二週間前なので、郷野対策はできなかったにしても同じアウトボクサータイプのレノグ初戦の経験と、流れたが二戦目の準備もあったので、アウトボクサー対策は多少よくなってるとは思ったが、郷野戦ではうまく出せなかったのは残念ではある。あと近藤の今のスタイル的に15分じゃ相手を捉え切れないのもあるかもしれない。最近はパンクラス(5分3R15分)本戦の試合でも決めきれない、煮え切らない試合が多いし、仮の話だが、2005大晦日の中村戦も、もし2R15分の試合なら抑えこまれて完封負けという評価で終わっていたかもしれない(3R怒涛の巻き返しで意地を見せたが)。そういう意味ではプライドの83キロ級もルール改正で3R(20分)になるのは近藤には好材料なんだが、郷野戦で評価を落としてしまったのは残念だ。ただ最近の試合を見る限り近藤のコンディション、パフォーマンス自体はよくなってきてると思うので、近いうちに再浮上できると思いたいが・・・。